私は職場で「今井さん」とか「陽一さん」とか別名称で呼ばれていて、不便に感じたことはないが建築名称で呼び方が全然違う時あり、混乱する時がある。「トイレ」「WC」「厠」、「サッシ」「窓」等が代表例だ。その中で一番、人によって、地域によって、世代によって別名称になるのが調理をするあの場所だ。キッチン・台所・お勝手等、様々な名称で呼ばれる。弊社で建築しているアパートではその場所を「キッチン」と定義・名称しているが、この場では「お勝手」と呼ばせていただく。理由は昔、実家のお勝手で祖母がつくってくれた塩おむすびを食べるのが好きで、あの時、確かに私の居場所だった場所を祖母が「お勝手」と言っていたという個人的な理由だ。
「お勝手」の語源はその昔、女性の居場所が料理する場で自由がきく場所、勝手がきく場所の呼び名が時と共に「お勝手」となった説がある。面白い。そもそも「勝手」という言葉が面白い。勝手な行動、勝手が良い、利き手の勝手という言葉から、「勝手」はわがままと便利の二つの意味を内包している言葉だ。まさに「お勝手」は「自由」を内包しているともいえるのではないか。
実社会では建築名称を定義する必要がある。相手側にしっかり情報を伝える為だ。しかし、その名称の生い立ち、歴史・意味を考えることで新たな発見があるかもしれない。「お勝手」はかつて自由で誰かの居場所だったのだ。私はそう思う。そしてそんな「お勝手」を創造・建築していきたい。
私にできるか分からないけど、偉大な先人の言葉を引用してFight1.の試合終了のゴングとさせていただく。
「やる前に負ける事考える馬鹿がいるかよ」
(アントニオ猪木氏 1990年2月10日 橋本真也&蝶野正洋戦前 控室にて発言)

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